関西のお手軽秘境駅とユニークな駅のご紹介

大阪から日帰りできる個性的な駅とその周辺を360度画像と動画を交えてご案内します

安堂駅(近鉄大阪線)

2022年12月10日

サッカーワールドカップで活躍したのは堂安選手ですが、こちらは安堂駅です。橋上駅舎のある地上駅で、とても立体的な構造をしています。というのも、3つある出口のうち南出口と東出口は2階の改札口から階段を下りて地上に出ますが、北出口を使うと改札口と同じ高さのまま地上に出られるのです。大阪難波駅から30分ほどの距離にあります。

こちらが南出口です

東出口には小さなロータリーがあります

北出口は、並走する近鉄大阪線とJR大和路線をまとめてオーバークロスする道路に接続しています。道路と橋上駅舎の間に高低差がないため、途中に階段はありません。

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東出口から駅周辺を回り、北出口から駅に入るまでをご紹介します。

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近くの駅

以前にご紹介した近鉄道明寺線柏原南口駅とは500メートルほどの距離で、近鉄ではこの2駅を同一の駅として定期券が作れる取り扱いをしているようです(道明寺線の使い勝手を考えるとどれほどの需要があるか疑問ですが)。

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「727」の看板が見えますが、その近くに安堂駅があります

築堤上の踏切からの眺めです。

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駅ぶら

住宅街の中に、新幹線の車窓でよく見る野立て看板で知られるセブンツーセブン化粧品の本社工場があり、ここでも存在感を見せています。大和川の河川敷が近く、周辺の散策もおすすめです。

深日町駅(南海多奈川線)

2022年11月12日

難読ですが「ふけちょう」駅と読みます。先日ご紹介したみさき公園駅から多奈川線に乗って1駅目です。沿線の深日港から淡路島や四国に向かうフェリーが発着していた1990年代には大阪のなんば駅から多奈川線に直通する列車も設定されていたそうですが、現在では本線と完全に分離されたローカル支線として運行されています。ただし、この駅には長大なプラットホームや列車交換設備の跡が残っており、賑わっていたかつての面影を残しています。

駅舎は地上にありますが、プラットホームは盛土の上です

ホームまで歩いてみます。屋根があるのは自動改札機のある場所だけでホームに向かう階段は吹きさらしなので、雨の日は不便そうです。

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ホーム上からの眺めです。線路の向こう側にススキで覆われたホーム跡が残っています。

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駅舎から反対側のホームまでは線路下のアーチをくぐり、現在のホームと同じように階段で上がったようです。

ホームに向かう階段は木々に埋もれてしまっています

かつて長編成の列車が運行されていた名残で、多奈川駅側に向かって長くホームが続いていますが、現在は2両分しか使われていません。

長大なホームですが、使用しない部分は柵で閉鎖されています
駅ぶら

深日港の利用客は激減しましたが、交通量の多い道路や住宅地に囲まれているため、この駅の周辺にさびれた印象はありません。そのような環境の中にひっそりとたたずむこの駅の外観からは、ちょっとした廃墟感が味わえます。

みさき公園駅(南海本線)

2022年11月12日

なんば駅から約45分、特急サザンの停車駅で南海多奈川線の起点駅でもあります。遊園地・動物園・水族館が一体となった、駅と同名のアミューズメント施設の玄関口でした。2020年3月に施設の営業が終了し、現在は自然公園として開放されています。ただし、在りし日の賑わいは全く見られず、特急停車駅と思えばさびれた印象が否めません。

見ての通りの立派な駅舎ですが、人影はほとんどありません

かつては多くの家族連れが笑顔で歩いたであろう、駅と公園を結ぶ道です。ちょうど木々が色づき始め、趣のある雰囲気です。

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公園の入り口まで歩いてみましたが、途中にあるドッグランを除いて人の姿は見かけませんでした。この先の園内にも無料で入ることができます。遊具や施設はほとんどが撤去されていますが、特設ステージがそのまま残されていて郷愁を誘います。

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この駅には公園の反対側にも出入口があります。華やかさは全くありませんが、駅の南に広がる住宅地からアクセスできるため、今となってはこちらの出入り口のほうが利用者が多いのかもしれません。

公園側の出入口とは打って変わって、どこにでもありそうな外観です
駅ぶら

淡路島や四国との間を結んでいたフェリーの廃止で多奈川線が衰退し、今度は遊園地が営業終了と、この町にとっては不運が続きます。ただし、公園は数年後にリニューアルオープンする計画があるようです。駅前に再び活気が戻ることを祈ります。

岸辺駅(JR京都線)

2022年10月16日

大阪駅から10分ほどで着きます。この駅の特徴は、北側に広大な貨物ターミナルがあることです。そのため、駅の北口は貨物ターミナル上に設置された長さ100メートルを超える跨線橋を渡った先にあります。駅の北側にある病院やショッピングモールは跨線橋ペデストリアンデッキで駅と直結され、利便性が考慮されています。

南側から見ると貨物ターミナルの存在は全くわかりません

駅のホームに出ると貨物ターミナルを越える長大な跨線橋が見えます

ガラス張りの跨線橋から貨物ターミナルを一望することができます

ホームからの眺めはいかにも都会の駅という印象です。

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近くの駅

岸辺駅から500メートルほど離れた住宅地の中にある阪急正雀駅もあわせてご紹介します。こちらの駅には隣接して阪急の車両工場と車庫があります。

岸辺駅と比べるとかなり小ぢんまりとした駅舎です

駅のホームからは阪急の車庫が見えます
駅ぶら

地図で見ると、JRと阪急の線路だらけの場所であることがわかります。そのせいか、岸辺駅近くの公園には0系新幹線が展示されていたり、線路と枕木がデザインされた歩道があったりと、街もかなり鉄分が高めのようです。

法華口駅(北条鉄道北条線)

2022年9月30日

趣のある木造駅舎が多い北条線ですが、登録有形文化財となっている古い駅舎の中でパン屋さんが営業しているユニークな駅として知られています。隣に建つ三重塔(駅名の由来となっている法華山一乗寺にある国宝のレプリカ)も含め、駅舎周辺はレトロな雰囲気を醸し出しているのですが、プラットホームは無機質でかなりちぐはぐな見た目です。大阪駅から行くと1時間半から2時間程度の距離があります。

駅舎に隣接するプラットホームは現在は使用されていません

列車は新設されたプラットホームに停車します

このプラットホームは列車交換を可能にするため2020年に新設されたものです。コンクリートとステンレスの素っ気ない作りとなっており、駅舎側とは印象がまったく異なります。

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駅の正面からプラットホームまで歩いてみます。訪問日現在でパン屋さんは土日のみ営業となっていますが、プラットホームへ行く場合には駅舎の前を素通りします。

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駅ぶら

静かな農村という印象ですが、この周辺には鶉野飛行場をはじめとして防空壕や銃座跡など第二次大戦の遺構が点在しており、それを目的として訪れる方も多いようです。土日にはレンタサイクルでの散策も可能です。

東垂水駅(山陽電鉄本線)

2022年9月9日

大阪駅からは約1時間です。このあたりは海の近くまで山が迫る神戸らしい地形となっており、その狭い範囲に山陽電鉄JR神戸線、国道2号線が通っています。この駅は山側に北出口、海側に南出口を設けていますが、両者には驚くほど大きな高低差があります。

橋上駅舎の右手が北出口、左手の歩道橋が南出口となります

駅のホームに立つと、眼下にJR神戸線と国道2号線が見えます。南出口の歩道橋はその両者の上を越えてから地上へとつながります。

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標高25.8mと表示された北出口からから南出口まで下りてみます。仮に南出口の標高が0mなら、ビルの8階分くらい下ることになります。

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南出口に向かってすぐのところに歩道橋の切れ目がありましたが、そこを直進すると山陽電鉄JR神戸線に挟まれた狭い通路に出ます。電車好きのこどもが喜びそうな場所です。

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駅ぶら

この近辺で山陽電鉄JR神戸線、国道2号線とほぼ並行していますが、実際に来てみると地図ではわからない高低差を実感できます。最も山側を走る山陽電鉄の車窓からは海側のJR神戸線より海がよく見えます。特に、隣駅の滝の茶屋駅のホームからの眺望は絶景として有名です。

木津駅(神戸電鉄粟生線)

2022年9月9日

以前に大阪府木津川駅(南海汐見橋線)や京都府木津川台駅近鉄京都線)をご紹介しましたが、この駅は兵庫県の駅です。大阪駅からは1時間少々の距離ですが、この近辺の粟生線は山岳路線の雰囲気です。この駅のホームからも建物がほとんど見当たりませんが、歩道橋を渡って駅の南側に出ると整然とした街が現れます。これは2000年ごろから開発が始まった産業団地で、駅もそれにあわせて改築されたようです。

写真左手の歩道橋は川を越えて産業団地につながっています

駅の改札口は歩道橋に直結しています

歩道橋の先にはロータリーが整備され、路線バスも運行しているようです。駅の南側に向かって産業団地が広がります。

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一方、駅の北側にも出入口があり、そこから小さな集落に出ます。駅前は民家のみで、店舗の類は一切ありません。

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ところで、駅の南北間は歩道橋で自由に通行できるのですが、駅の近くに小さな踏切もありました。歩いていくと、その先は道なき道となっています・・・が、不安になって進むのは断念しました。

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駅ぶら

駅の南側に整然と広がる産業団地の様子は、ホームに降り立った際の印象からは想像できないほどです。ただし、鉄道の利用客は少ないようで、駅自体に賑わいは見られません。せっかく改築した駅舎が少々もったいなく思えてしまいます。