関西のお手軽秘境駅とユニークな駅のご紹介

大阪から日帰りできる個性的な駅とその周辺を360度画像と動画を交えてご案内します

諏訪ノ森駅(南海本線)

2023年1月27日

上下線のホームが相対しない、いわゆる千鳥式の配置となっている駅で、駅舎も2つあります。南海本線では現在高架化工事が進められており、この駅の手前(なんば駅方向)および隣の浜寺公園駅の先(和歌山市駅方向)の区間はすでに工事が終わっています。残る区間の工事が完了すれば、現在のこの駅の姿も見納めとなります。普通列車なんば駅から約30分の距離にあります。

下り(和歌山市駅方面)の駅舎です

上り(なんば駅方面)の駅舎の左手には国の登録有形文化財である旧駅舎が残されています

上下線のホームは踏切を挟んで配置されています。ネットがかけられているのがもともと使用されていた上りホームですが、その西側に仮線と仮ホームを作ってスペースを空け、高架化工事に備えています。

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下りのホームは上りのホームから少し離れた場所にあります。このような千鳥式のホーム配置は路面電車の電停では珍しくありませんが、鉄道駅ではあまり見ません。

上りのホームの端から下りのホームを見たところです
近くの駅

諏訪ノ森駅から商店街を2~3分歩くと阪堺電気軌道阪堺線の船尾電停があり、こちらも千鳥式のホーム配置となっています。諏訪ノ森駅の高架化が完了すると、この千鳥兄弟も残念ながらコンビ解消となります。

諏訪ノ森駅と同じ千鳥式のホーム配置です
駅ぶら

駅の西側は繁華街、東側は住宅街の趣がありますが、これも線路によって地域が分断されていたということでしょうか。高架化によって、駅だけでなくその周辺も今後どのように変化していくのか興味深いところです。

林間田園都市駅(南海高野線)

2023年10月7日

南海高野線で起点のなんば駅から下っていくと、美加の台駅を過ぎたあたりで町から山に急激に景色が変わります。千早口、天見、紀見峠とひなびた小駅が続いた次に、突然現れるのがこの巨大な駅です。かつて南海が大規模なニュータウン開発を行った場所であり、その玄関口にふさわしい威容を誇ります。特急も含めた高野線のすべての列車が停車し、なんば駅からは40分ほどで到着します。

まるで駅ビルのようですが、背後に見えるのは駅に隣接するマンションです

駅舎は独特の形をした屋根を持ち、近代的な印象です。階段を降りたところが改札口で、左右に西出口と東出口があります。

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メインとなる西出口の駅前広場には商業施設やロータリーが整備され、いかにもニュータウンという趣です。

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もう一つの東出口がかなりユニークなので動画でご紹介します。途中で左の階段を降りるのが正しいようで、まっすぐ進むと一旦マンションの中に入ってしまいますが、そのままマンションを通り抜ければ外に出ることができます。西出口とはうって変わってのどかな風景が広がります。

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反対向きにも歩いてみます。どうみてもマンションの入り口で、知らない人ならこの先に駅があるとは思わないでしょうが、マンションの居住者に配慮してあえて表示していないのでしょう。

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駅ぶら

山を切り開いて開発されたニュータウンであり、駅の西側は整然として人工的な街並みですが、東側には自然が多く残ります。さしずめ東側が「林間田園」、西側が「都市」といった位置づけでしょうか。

紀伊山田駅(JR和歌山線)

2023年9月17日

和歌山線の駅が続きましたが今回で一区切りです。前回の中飯降駅から王寺駅に向かって2駅先の駅になります。歩道に駅名標はありますが、駅舎もホームも見当たりません。いったいどこに駅があるのかと戸惑ってしまう駅です。

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駅名標の左にあるのは駐輪場です

この駅は掘割駅のため、地上からはホームが見えないのです。前回の中飯降駅と同じような構造ですが、地上部分は中飯降駅よりはるかに簡素です。

この階段を下りた先にホームがあります

階段のほかにスロープも設置され、バリアフリー対応されています。スロープを通って地上からホームまで下りてみます。

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ホームにはモザイク調のかわいらしい駅名標があります。地元の高校生の作品とのことです。

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こちらがホームの全景です。長大なホームですが、実際には2両編成分しか使われません。ホーム上にせり出した駐輪場が屋根の役目を果たしています。

和歌山線ではおなじみの棒線駅です
駅ぶら

交通量の多い国道24号線に隣接しており周辺はにぎやかです。学生の利用も多いようで、外観は目立たないもののこの近辺の駅の中ではがんばっている印象です。

中飯降駅(JR和歌山線)

2023年9月17日

難読ですが「なかいぶり」と読み、前回ご紹介した大谷駅からは王寺駅に向かって2駅先になります。きれいに舗装された駅前ロータリーにはバス停があり、駐輪場や公衆トイレも併設されていますが、写真を見て「何かが足りない、落ち着かない」と思いませんか。実は肝心の駅舎がありません。「この正面あたりに駅舎があれば」と思ってしまいます。

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左手の茶色の建物は駅舎ではなくトイレです

この駅は掘割構造になっており、ロータリーのある地上から階段を下りた先にホームがあります。

目立たない階段を下りてホームに向かいます

こちらがホームです。待合室や出改札などの駅の機能はホーム上にあります。

シンプルな棒線駅で、屋根すらありません

真新しく見栄えのする地上部分と必要最小限しかない駅本体というアンバランスさがユニークだと思いますが、いかがでしょうか。

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駅ぶら

駅前ロータリーは2016年の完成とのことです。老朽化した駅が多い和歌山線ですが、駅の改装が利用客の増加につながることを願っています。周辺には民家が点在し、学生の利用も多いようです。

大谷駅(JR和歌山線)

2023年9月17日

以前に滋賀県大谷駅をご紹介しましたが、こちらは和歌山県の駅です。前者は名前からイメージされる通りの山の中の駅でしたが、この駅はそれほど「大谷」な雰囲気はありません。下の写真では緑に囲まれて秘境駅のようなたたずまいですが、駅から少し離れると結構な数の民家があります。前回ご紹介した西笠田駅から王寺駅に向かって2駅先にあり、大阪の難波駅からは1時間半くらいです。

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一見すると秘境駅のようです

こちらが駅前通りということになります。うっかりすると見落としてしまいそうなところに駅の入り口があります。

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駅のホームに向かう通路はすれ違いができないほどの狭さですが、それが問題にならない程度の利用客数ということでしょうか。ホームの正面に見えるのはこのあたりの名産である柿の木です。

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駅から少し離れたところに、廃業したガソリンスタンドの跡地を利用した駐輪場がありました。もの悲しさを感じさせる景色です。

奥の踏切のあたりが駅です
駅ぶら

駅の南側には集落が広がっていますが、国道24号線京奈和自動車道が近いため、使い勝手の悪い和歌山線の利用客が少ないのは当然ともいえます。このあたりの和歌山線は閑散区間で、学生の利用客が少ない駅は例外なくさびれてしまっています。

西笠田駅(JR和歌山線)

2023年9月9日

「にしかせだ」と読みます。和歌山線王寺駅側の一部を除けば閑散としたローカル線ですが、その和歌山線の中で利用客が最も少ないのがこの駅です。周辺に集落はあるものの、生活道路のわきにとって付けたように設置された駅には人影がまったくありません。一方、ホームに立ってみると目の前には紀ノ川の雄大な景色が広がります。大阪の難波駅からは1時間半くらいかかります。

金網フェンスの切れ目から入るとすぐホームです

こちらがホームからの眺めです。駅はかなり高い位置にあるため、近くを流れる紀ノ川を広く見渡すことができます。

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ところで、駅の入り口に向かって右手に小さな踏切があります。その先は線路と崖に挟まれた何もなさそうな狭いスペースですが、実はサイクリングロードとして整備されています。

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サイクリングロードは300メートルほどしかなく、終点には大和街道と書かれた道標がありました。大和街道は各地にありますが、この道は奈良時代に整備された大和から紀伊を経由して四国に続く南海道の一部だそうです。

終点側から見たサイクリングロードです
駅ぶら

駅と紀ノ川の間にある国道は頻繁に車が行き交っていますが、集落は一段高いところにあるため、のんびりとした雰囲気が漂います。駅は集落のはずれにあり、駅前に商店などは一切ありません。

西宮北口駅(阪急神戸線・今津線)

2023年8月5日

前回ご紹介した夙川駅の隣駅で、両駅にはいくつかの共通点があります。特急停車駅であり阪急線どうしの乗換駅であることもそうですが、駅周辺に連絡線があるのです。しかも、この駅の場合は2本あります。阪急神戸線の特急で大阪梅田から10分強、西宮市内で最大の乗降客数を誇る駅です。

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写真奥は神戸線、手前は連絡線を通過する電車です

通称「今津北線」と神戸線の連絡線は、宝塚と大阪梅田を結ぶ電車も走ります

上の写真の連絡線よりだいぶ地味ですが、この駅から今津駅までを結ぶ通称「今津南線」にも連絡線があります。こちらを通るのは回送電車のみで、画面右手で今津南線、左手で神戸線と接続しています。

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駅ぶら

かつての今津線は宝塚から今津まで直通運転しており、1984年に今津線が南北に分断されるまでは、神戸線との間にダイヤモンドクロスと呼ばれる平面交差がありました。現在の駅周辺も線路によって4分割されており、商業地や住宅地などそれぞれの顔を持っている印象です。